シンガポール法人の設立

シンガポールでビジネスを行うにあたって

背景

マレーシア半島の南部に位置するシンガポールは国土714平方メートルの島です。シンガポールはコミュニケーションなどのインフラが世界のトップクラスと称されており、また、大手銀行や金融機関、大手弁護士事務所や会計事務所が多く揃っています。

ビジネス規制は世界でもっともビジネスフレンドリーとされ、シンガポールの経済は大変競争力が高いとされています。世界の金融センターのトップにとどまらず、更にスマートな金融センターになることを目指しています。シンガポール政府は財務テクノロジーへの投資を多大に行っており、東南アジアにおける地域金融ハブとして更なる向上を目指しています。

シンガポールはいくつかの経済分野において世界のトップレベルに位置します。石油精製地として世界トップ3、石油リグでは世界一、貿易港は世界で5番目に大きく、シンガポール外国為替取引所はロンドン、ニューヨーク、東京に続いて第4位となっています。

世界銀行(The World Bank)はシンガポールを世界でもっともビジネス環境が整った土地に選び、また物流ハブとしても世界トップクラスだと評しています。

シンガポール・チャンギ国際空港は東南アジアにおいてメジャーな航空ハブとなっており、国際空港としては世界で7番目に利用者が多い空港で、貨物の取り扱いも多く、1981年以降、同空港は390個もの賞を受賞、そのうちの23個は「ベスト賞」に選ばれています。

港は世界でもっとも出荷トン数が多い港として知られ、コンテナー数では世界で5番目、世界の半分の量の原油が取引され、積み替え量では世界で一番となります。

1993年に最初のFTA(自由貿易協定)を現在のAFTA(ASEAN自由貿易地域)加盟国との間で締結してから、シンガポールはこれまでに20地域において、そして二カ国間では31カ国とFTAを締結してきました。関税をなくすことで貿易自由化を図り、シンガポールを拠点とするあらゆる産業分野の事業を支えています。

シンガポールは包括的二重課税防止協定を81カ国との間に締結しています。2009年には国際的に合意された租税情報交換の基準を実施している国の一つとして、OECDのホワイトリスト入りも果たしました。

非政府団体であるトランスペアレンシー・インターナショナル(Transparancy International)では、シンガポールを汚職などの腐敗がない国として世界では5番目、アジアでは1番目にランキングをしています。

シンガポールは国連、ASEAN、英連邦メンバー国、WTO、HAM(非同盟運動)、FPDA(5カ国国防衛取極)、そしてAPECの加盟国です。APECの事務局はシンガポールにあります。

シンガポールは47カ国の領事館があります。

小さく自然資源に恵まれないながらも、シンガポールは経済競争力の高い国として発展を遂げてきました。それは、誠実で能力の高い政府、高い教育、実力主義、強い社会組織と防御力などによって安全と主権が築かれてきたためと思われます。

2015年5月1日、コーポレートサービスを提供する業者はACRA(会計企業規制庁)の規制監視下におかれるようになりました。これは、コーポレートサービス業のレベル向上とFATF(金融活動作業部会)が推奨するマネーロンダリング防止策への準拠を強化するためです。

シンガポールにおける企業形態と税務

シンガポールでは、有限責任株式会社や有限責任保証会社の設立から、設立をしない個人事業やパートナシップの運営も可能です。有限責任株式会社は公開か非公開のいづれも可能で、有限パートナーシップも有限責任パートナーシップの運営も可能です。

1.非公開会社

シンガポールで設立される有限責任株式会社において非公開の会社では、免除非公開会社(EPC)に当てはまるものとそうではないものがあります。

免除非公開会社(EPC)は株主が20人以下で法人株主がいないことなどの条件があります。

「小規模EPC」に該当する条件は該当事業年度の売上合計が5ミリオンSドル以下であることです。2004年以前は、売上合計が半分の2.5ミリオンSドルが条件でした。

債務の全額返済能力を有する「小規模EPC」においては、貸借対照表や損益計算書を含む年次報告書を会計企業監督庁(ACRA)へファイルする必要はありませんが、「支払い能力証明宣誓書」をオンラインで提出する必要があります。返済能力のない「小規模EPC」は貸借対照表や損益計算書を含む年次報告書の提出が必要です。「小規模EPC」は、返済能力に関わらず、監査は不要です。

「普通規模EPC」は、該当事業年度の売上合計が5ミリオンSドル以上の会社のことを言います。債務の全額返済能力を有する「普通規模EPC」においては、貸借対照表や損益計算書を含む年次報告書を会計企業監督庁(ACRA)へファイルする必要はありませんが、「支払い能力証明宣誓書」をオンラインで提出する必要があります。返済能力のない「普通規模EPC」は貸借対照表や損益計算書を含む年次報告書の提出が必要です。「小規模EPC」は、返済能力に関わらず、監査が必要です。

「休眠EPC」は営業活動がなく銀行口座に動きのない会社、または設立後に一度も活動を行っていない会社のことを言います。債務の全額返済能力を有する「休眠EPC」においては、貸借対照表や損益計算書を含む年次報告書を会計企業監督庁(ACRA)へファイルする必要はありませんが、「支払い能力証明宣誓書」をオンラインで提出する必要があります。返済能力のない「休眠EPC」は貸借対照表や損益計算書を含む年次報告書の提出が必要です。「休眠EPC」は、返済能力に関わらず、監査は不要です。

免除非公開会社(EPC)ではない非公開法人では、非免除非公開会社があります、株主が50人以下の会社です。営業活動をしている非免除非公開会社は監査済みの貸借対照表や損益計算書をファイルする必要があります。休眠非免除非公開会社については監査は必要ありませんが、貸借対照表や損益計算書のファイリングは必要です。

シンガポール法人設立

法人は会社法に基づいて設立されます。設立に要する時間は1~2日ですが設立確認証明書の発行は24時間以内に可能です。商号(法人名)は、現存する商号やそれに類似するものは使用できませんが、持株会社(ホールディングカンパニー)においては子会社の名前の使用が可能です。非公開会社は、商号の最後にPrivate Limitedが付きます。

資本金の決定

2006年1月に株式の額面及び発行の限度額である授権資本金が廃止されました。株式の通貨はシンガポールドルまたは他の通貨建ても可能です。種類株式が存在し、各種類の株式によって株主の配当権利などが定められます。種類には、普通株、優先株式(償還優先株式、非償還優先株式)がありますが、無記名株式は認められていません。

2016年の会社法の改正によって、基本定款と付属定款がConstitutionと呼ばれる単一の定款に一本化されました。

株主

株主は最低1名必要で、個人でも法人でもかまわなく国籍は問いません。株主情報は登記され情報は公開されます。匿名を希望する場合はノミニー株主の利用も可能です。株主の責任範囲は出資額の範囲に限られます。

取締役

取締役は最低シンガポール居住者1名の自然人が必要です。シンガポール市民、シンガポール永住権所有者、EntrePass所有者などが認められます。シンガポールにおける労働許可証を持っている外国人も認められるケースがあります。

法人格の取締役は認められていません。取締役情報は登記され情報は公開されます。

秘書役と登記住所

シンガポール法人はシンガポールにて登記オフィスと登記住所を定めること、また現地の秘書役を任命することが義務付けられています。秘書役はシンガポール在住の自然人で秘書役情報は登記されます。取締役が一人しかいない場合において、その取締役が秘書役を兼任することはできません。

2. 有限責任パートナーシップ (“LLP”)

LLPはシンガポールにおけるビジネス形態の一つです。LLPはパートナシップのようなフレキシビリティーを持ちながら、非公開会社のような独立法人格を持つことが可能です。

LLPはパートナーとは別個の独立した法人格を有する「Legal Personality」となり、パートナーが変動したとしてもLLPの権利義務については影響がなくそのまま継続されます。

LLPは以下のことが可能です:

  • LLP名義で訴えられる
  • LLP 名義による財産の所有や売買
  • LLP 名義でのコモンシール(社判)の所有
  • 法人格によって行えることをLLP名義で行うこと、そしてLLPは法的責任を有する

パートナーは事業上の債務について個人的な責任を負うことはありません。パートナー自身が行った間違った行為または怠った行為において負債が生じた場合には個人的責任を問われる可能性はありますが、他のパートナーの行為によって生じた負債に対する責任は問われません。

LLPは会計記録、損益計算書、貸借対照表を作成する必要があります。これを怠った場合にはLLP及びパートナー全員の責任となり、ペナルティー及び禁固の可能性もあります。

組合員(パートナー)
パートナーは2名以上の個人または法人または他のLLPによって構成されます。

マネージャー

マネージャーはLLPの運営を行う個人で、最低1名の現地居住者のマネージャーが必要です。現地居住者はシンガポール市民またはシンガポール永住権保有者で、18歳以上の自然人である必要があります。非シンガポール居民の場合は、シンガポールにおける居住住所の提出ができる場合、そして労働許可証などを持ちシンガポールに長く滞在する個人の場合において認められることがあります。

年次報告書
有限責任パートナーシップ法24条1項に基づき、毎年、支払い能力の有無を報告する必要があります。有限責任パートナーシップ法24条2項に基づき、初めの年次報告書は設立15ヵ月後に提出します。次年度からは毎年の提出が必要で、提出期間を15ヶ月超えない必要があります。

会計
有限責任パートナーシップ法25条1項に基づき、会計記録、損益計算書、貸借対照表を作成する必要がありますが、ACRAへの提出は不要です。有限責任パートナーシップ法25条2項に基づき、会計記録を5年毎に作成する必要があります。これを怠った場合にはパートナー全員の責任となり、ペナルティー及び禁固の可能性もあります。

税務
LLPの利益は構成員課税となるため、法人税としては課税されずパートナーの個人所得レベルで課税されます。パートナーが法人の場合は、法人所得税率に従って課税されます。

該当事業年度の売上合計が50万Sドル以下のLLPは、確定申告書の提出の際に、財務諸表の提出は必要ありません。

該当事業年度の売上合計が50万Sドル以上のLLPは、認証済みの財務諸表をシンガポール当局(Comptroller f Tax)へ提出します。

組合(パートナーシップ)や法人をLLPへ変更

既存のパートナーシップや法人をLLPに変更することも可能です。パートナーシップの場合は既存のパートナーが新しいLLPのパートーになることが条件で、法人の場合は既存の株主が新しいLLPのパートナーになることが必要です。その場合、法人には財務残高がないことが条件となります。

3. 有限パートナーシップ (“LP”)

有限パートナーシップ(LP)は「有限パートナーシップ法2008」によって2009年5月4日に定められたビジネス形態で、パートナーと区別された別個の法人格は有しません。

自然人または法人が無限責任パートナー(General Partner)または有限責任パートナー(Limited Partner)となることが可能です。

パートナー(組合員)

LPには最低1名ずつの無限責任パートナー(General Partner)と有限責任パートナー(Limited Partner)が必要です。パートナーの上限人数はありません。無限責任パートナー及び有限責任パートナーは自然人または法人でも可能で、国籍は問いません。

無限責任パートナー(General Partner)

無限責任パートナーは事業責任及び全ての債務、義務、負債に対して個人的責任を有します。無限責任パートナーが複数存在する場合は、共同でそれら全ての責任を有します。無限責任パートナーはLPによって行われる事業経営に参加する権利を有し、LPの財産を使用する権利があり、また、LPの利益を定められた規定に従い受け取る権利があります。

有限責任パートナー(Limited Partner)

有限責任パートナーは負債や義務に対して、出資額以上の個人的責任は負いません。有限パートナーシップ法のFirst Scheduleに記載されていること以外ではLPの経営に参加することはできません。有限責任パートナーが経営に参加した場合は無限責任パートナーとしての責任を負うことになります。

マネージャー(Manager)

無限責任パートナーがシンガポール居民でない場合において、LPには現地人のマネージャーが必要で、18歳以上の自然人である必要があります。現地居住者はシンガポール市民またはシンガポール永住権保有者、及びEntrePassの所有者になります。

現地人マネージャーはLPにおける全ての義務を果たす役目を負っています。無限責任パートナーが責任不履行となった場合に、現地人マネージャーは全ての責任、債務、義務を負うことになります。

登記の更新
LPの登記は登記日より一年間有効です。

会計
有限パートナーシップ法27条1項及び2項に基づき、LPは最低過去5年間の会計記録を作成する必要がありますが、ACRAへの提出は不要です。

税務

LLPの場合と類似して、LPの利益は構成員課税となるため、法人税としては課税されずパートナーの個人所得レベルで課税されます。パートナーが自然人の場合においてはパートナー個人の所得税率によって課税され、パートナーが法人の場合は、法人所得税率に従って課税されます。

控除についてもLLPと類似します。

シンガポールにおける事業体の比較リスト

 

事業体の種類 個人事業 パートナーシップ(組合) 有限責任パートナーシップ(LLP) 非公開株式会社Private Company 有限パートナーシップ(LP)
定義 事業主一人 二人またはそれ以上のパートナーによって事業がなされ、同じ利益追求目的を持つ パートナーシップの形態で個人パートナーが責任を負わない 取締役または株主から独立した法人 無限責任パートナーと有限責任パートナーから成り立つパートナーシップの形態
所有者 事業主一人 2名~20名のパートナー。20名以上の場合は法人としての登録が必要 最低2名のパートナーが必要で上限人数はなし。パートナーは個人または法人または他のLLPが可能 免除非公開株式会社は20名またはそれ以下の株主より成り立つ。非公開会社は50名以下の株主より成り立つ。 最低2名のパートナー、無限責任パートナーと有限責任パートナーから成り立つ。上限人数はなし
法的地位 独立の法人格はなし

オーナーは無限の責任を負う

訴えることや訴えられることはできない

財産の所有ができない

独立の法人格

オーナーは有限の責任を負う

訴えることや訴えられることができる

財産の所有が可能

独立した法人格はなし。無限責任パートナーは無限責任を有する。訴えることや訴えられることはできず、財産の所有ができない
事業主が責務を負う パートナーが個人的に債務を負う パートナーは自身の責任範囲内において債務を負う、他のパートナーの責任範囲における債務については負わない 株主は債務を負わない 無限責任パートナーは個人的に債務を負う。有限責任パートナーは出資額以上の債務は負わない
設立条件 18歳以上の自然人でシンガポール市民、シンガポール永住者 18歳以上の自然人でシンガポール市民、シンガポール永住者。ただしオーナーがそれに当てはまらない場合は現地居住者のマネージャーが必要 18歳以上の最低2名のパートナー、自然人でも法人またはLLPでもよい。

 

その内、最低1名はシンガポール居民であること

最低1名18歳以上の株主から成り立ち、法人でも可能、国籍に制限なし。最低1名のシンガポール現地個人取締役が必要。外国人が取締役となる場合は労働許可証が必要 最低1名ずつの無限責任パートナーと有限責任パートナーが必要。18歳以上の個人または法人や別なLLPが可能。無限責任パートナーにシンガポール居住者がいない場合は現地人マネージャーが必要
手続と経費  

簡単で早い設立

 

管理維持が簡潔

 

登記費が安価

 

管理業務が少ない

 

 

簡単で早い設立

 

法人より管理業務が少ない

 

登記が安価

 

株主総会、取締役、秘書役、株式などの法的要件がない

 

設定時に年次報告書を提出するのみ、その中で支払い能力があることへの宣誓が必要

 

 

 

他に比べ設立費や維持費がかかる

 

他に比べ管理業務が多い

 

設立6ヶ月以内に現地秘書役の任命が必要

 

設立3ヶ月以内に監査役の任命が必要(監査が必要な法人形態において)

 

年次報告書の提出

 

株主総会、取締役、秘書役、株式などの法的要件がある

 

簡単で早い設立

 

管理維持が簡潔

 

登記費が安価

 

毎年登記を更新

 

 

 

税務 利益はオーナー/パートナーの所得レベルで課税(シンガポール現地居民の場合)、非居民の場合は20%で課税 利益はパートナーの個人所得レベルで課税、居民ステータスにより20%。パートナーが法人の場合は法人課税 利益は法人課税 利益はパートナーの個人所得レベルで課税、居民ステータスにより20%。パートナーが法人の場合は法人課税
継続と移管 事業主が生存し事業を継続する限り継続 パートナー全員の同意があり、無限責任パートナーがパートナーとして存続する限り継続。無限責任パートナーが死去、またはパートナーを辞任する場合に解散となる。財産は売却するか分配し、先に債権者へ支払いを終えた後にパートナーの手元に残る。パートナーシップ契約書で継続について定めることも可能。 LLPはパートナーとは独立した存在で、恒久に継続する。 独立した法人は、株主の死去によって解散しない。法人は株主に継続意思のある限り継続し、通常は恒久的である。所有権の譲渡が可能で、株主の追加ができる。 パートナー全員が継続に同意し、無限責任パートナーがパートナーとして存続し続ける限り継続する。有限パートナーがいない場合は法人化され、将来、有限パートナーが現れるまで法人格とされる。

 

清算・解散 オーナーより解散手続きが踏まれる場合、または登記が更新されない場合は登記抹消される 清算(Winding Up):メンバーによる任意型または債権者による任意清算。もしくわ強制的な裁判所職権清算か抹消手続もある 無限責任パートナーによって解散、または登記費を支払わない場合は登記抹消

シンガポールにおける法人税制

現在の法人税率は17%です。(2010年以降)

部分免税(Partial tax exemption scheme)

課税所得が30万Sドルまでの法人に対し、部分免税制が2008年に導入されました。課税所得の最初の1万Sドルは75%(7千5百Sドル)まで、次の29万Sドルのうち50%(14万5千Sドル)までを免税としています。すなわち、最初の30万Sドルに対して15万2千5百Sドルの免税となります。

新設スタートアップ企業に対する免税

新設されるスタートアップ企業が当局に認められた場合は優遇免税措置が受けられます。課税所得の最初の10万Sドルは100%の免税となります。次の20万Sドルに対しては50%の免税です。すなわち、最初の30万Sドルに対して20万Sドルの免税となります。

特定産業への譲許税率優遇

また、特例として譲許税率の導入もあり、例えばベンチャー企業などにおける特定の送金に対して全額が免税になることもあります。

One-tier法人税制

2003年1月よりOne-Tier制の法人税制を導入しました。法人が課税所得に関して収めた税金が最終課税となり、法人が株主に支払った配当金は全て非課税扱いとなります。

居住法人

課税対象の原理として、事業の管理と経営がどこで行われたかが問われます。シンガポールにて経営及び事業管理を行う法人はシンガポールにて課税対象となります。

外国企業のシンガポール支店は、通常はシンガポールにて課税対象とはなりません。これは、事業の管理と経営がシンガポール国外にある親会社にて行われているとみなされるからです。

居住法人の利点

居住法人(Resident company)と非居住法人(Non-Resident Company)に対する税制の基本は同じですが、居住法人としてその利益がシンガポールにて課税対象となることの利点は以下にあげられます:

• 二重課税防止協定(租税協定)の恩恵を受けることが可能
• 国外源泉の配当や海外支店の利益や国外源泉のサービス収入について所定の条件を満たす場合に免税処置をうけることが可能
• 新設のスタートアップ企業において免税をうけることが可能

法人課税所得

国内源泉の所得及び国外源泉でシンガポールに送金された以下の収入についてシンガポールにて課税対象となります。

• 貿易や事業収入
• 配当などの投資収入、利息、レンタル収入
• 使用料(ロイヤリティー)、プレミアムなどの収入
• その他の収入

ただし、所定の条件を満たす場合に免税をうけることが可能です。

欠損金の繰戻還付

キャピタルアローワンス及び欠損金について、10万Sドルを限度として直前1賦課年度の賦課対象所得から控除することやグループ会社内での相殺が認められています。

シンガポールは81カ国との間に租税条約を締結しています。租税条約による恩恵は居住法人のみ受けることが可能です。

非公開株式会社における年次報告

法人一般は会計監査が必要で、会計書類は例外として認められない限り登記住所での保管が要求されます。休眠会社と「小規模会社」は監査が必要ありませんが、会計基準に沿った会計を行うことが必要です。

「小規模会社」の負担を減らし、リスクベースのアプローチへと切り替えるために「小規模会社」の定義が2015年に改正され、会計監査免除の対象となりました。「小規模会社」は非公開会社であることに加え、以下の内2つの条件を直前の過去2会計期間連続で満たしていることが条件です:

• 売上合計10百万Sドル以下
• 総資産合計10百万Sドル以下
• 従業員数50名以下

法人清算

登記抹消(Striking Off)

設立以来、事業を開始していない、資産・負債が存在しないなどの場合において、法人は簡潔に済む登記抹消の手続きを取ることが可能です。

株主による自発的清算手続き(Members’ Voluntary Winding up)

会社が債務超過でなく、かつ支払い能力を有している場合において、この清算方法をとることが可能です。清算人(Liquidator)の任命が必要で、会社法に従って必要な手続きを踏みます。

債権者による任意清算(Creditors’ Voluntary Winding up)

会社が清算手続き開始後12ヶ月以内にその債務を弁済することができない場合において、債権者による任意清算によって法人清算を行うことがあります。清算人は裁判所より指名され、会社法に従って必要手続きを踏みます。

お問い合わせ

ゼットランドではシンガポールにオフィスを構え、シンガポール法人の設立や会計・税務を初め、シンガポールにおけるビジネスのサポートを行っております。

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