ニュースレター May 2013

【香港】2013年‐2014年度予算案

2月27日、香港特別行政区財政司司長ジョン・ツァンにより2013-14年度予算が公示されました。昨年からの経済予想と経済悪化の兆候をよそに、政府は649億HKDの黒字見通しであることを発表。香港の国庫準備金は現在7300億HKDにのぼり、GDPの36%を占めるまで達しています。

2013-14年度予算は1月に発表された施政報告に盛り込まれた新政策に合わせて財源を提供し、経済振興、人的資源の有効活用、インフラ投資と民生支援という4項目に措置を講じています。政府は、1.3%という緩やかな成長にとどまった輸出伸び率に追加的経済刺激効果を期待しており、2013-2014年は昨年度GDP比1.5%-3.5%増を見込んでいます。

下記今年度予算の主要項目要約文:

  • 貿易・物流サービス
    • 12ヘクタールの土地に物流施設を開発
  • 金融サービス
    • 政府債発行額を2,000億HKDまで拡大
    • I-Bond(インフレ連動型債券)の発行額を100億HKDまで拡大
    • プライベートエクイティファンドに対し、オフショアファンドと同じ免税措置を適用
    • 中小企業支援:
      • 2013-2014年の商業登記費用の免除
      • 中小企業輸出促進基金への補助金を200,000HKDへ拡大
  • 税金の免除
    • 一定税率の免除(四半期毎1,500HKDを上限とする)
    • 2013-2014年の法人所得税、個人所得税の75%を還付(上限10,000HKD)

この年度予算は、昨年に引き続き、長期的政策と同時に単発的施策を盛りこんで組成され、大方合理的な政策として受け入れられました。そして香港が今後も有効な司法区域として人々を惹きつけ、地域及び世界的オペレーションそして、国際金融や貿易センターの拠点であり続けるために大きく寄与するものになると受け止められています。

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【シンガポール】2013年度予算案

2013年3月7日、シンガポールの国会において、ターマン・シャンムガラトナム副首相兼財務相より2013年度予算案が発表されました。本年度のテーマは、「より良いシンガポールを目指して:質の高い成長、技術革新や質の高い経済成長」 であり、そしてその利益はシンガポール国民が享受するとしています。

政府は2013年のシンガポールのGDP成長率を前年同様1%から3%の間の微増という見通しを出しています。これは昨年の1.3%成長に相当し、政府は2013年3月の事業年度末に13億SGDの黒字財政の計上、もしくは対GDP比0.4%成長を見込んでいます。

「品質・生産性向上計画」は企業の向上、より良い職業機会の創造、そして賃金の引き上げ支援を目指したものです。

  1. 外国人労働者に関する方針の強化
    シンガポール政府はすべてのセクターのワーク・パミット(WP)労働者及びSパス労働者を対象とし、外国人雇用税をひきあげることにより、外国人労働者人口の引き締めを強化しています。企業の向上支援のため追徴金が課税され、その成果はほかの労働者に還元されているのです。
  2. 2013年から2015年の期間限定企業サポート「3年間移行支援パッケージ」
    賃金クレジット・スキーム(WCS)
    政府はシンガポール国民の従業員昇給分に対し40%を助成するため、36億SGDの割り当てを決定しました。
    生産性・技術革新控除(PIC)
    労働生産性向上のための投資活動に利用するよう推奨された優遇税制であり、2013年から2015年までの間の賦課年度内に認定されたPIC活動において最低5,000SGDを支出した企業には、同額(上限150,000SGD)の交付金が現金で支給されます。これは現在のPICへの追加措置として設定されました。
    2013年から2015年の3年間、各賦課年度の法人税30%の払い戻し措置(上限30,000SGD)
  3. 企業の生産性及び付加価値向上支援のためのインセンティブの強化、及び当該支援の利用しやすさの向上
  4. 製造業分野における新成長産業を創出、及び自国のサービス産業が急成長するアジア経済の中でチャンスをつかむための予算枠の割り当て

すべてのシンガポール国民が成長による利益を享受するため、政府は、低所得者層に対する中央基金支援の給付率の向上、空き物件に対する固定資産税還付特権の廃止、税金の還付そしてPIC(生産性・技術革新控除)の現地企業への促進と言った指針を示しています。

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2013年香港信託法法案

香港はアジアにおける主要な資産管理・運用都市の一つです。

香港の信託法は香港受託者条例に基づくものであり、過去85年間ほとんど改正がされてきませんでした。これは2013年3月8日に2013年信託法法案が正式に発表されるまで、1925年のイギリス受託者法規に準拠したものでした。

イギリスやシンガポールに代表される普通法を採用する主な地域は、あらゆる面で時代にそぐわない信託法を近代化し、変化するマーケット・ニーズに対応するために信託法の改正を不可欠事項と位置づけたうえで、信託事務管理の簡易化と信託会社の誘致を目指し、近年信託規制の改正を実施しています。

2013年度信託法法案は香港信託法の透明性と確実性の強化、そして香港における効果的信託管理のため受託会社の権限の引き上げを目指し、受託者の基本的権限の向上、非永続性法規の撤廃、法外な利益積立を禁止する法規の革新といった新法規の施工により、香港信託制度にかかる現行法の特定部分が改定されるに至りました。しかし、実務では信託証書により受託者の権限と責任が統制されるケースが大部分を占めるのが実際のところとなっています。

 

下記、信託法案における改正香港信託規制の概要;

-投資、委任業務、ノミニー任命の際の権利行使時の、信託会社へ保護を法的義務として導入

-特定の保証規定の下、エージェント任命時の受託者への全権委任

-新規信託設定に関する非永続的現行法規の撤廃

-公的信託を除き、新規信託設定に関し、法外な利益積立を禁止する規制の撤廃

-損失リスク、地政学的リスクに備えた信託財産を対象とした保険加入の許容

設定者が香港において、香港の受託者を使って信託を設定する有利性は、設定者の環境や居住する国によって大きく異なってきます。その他、信託設定において“魅力的な”地域と比べても、国際的に認知された金融及び、ビジネスセンターであることも香港を選ぶ理由となっています。

しかし、香港がベリーズやニュージーランドのような信託管轄として確立された地域が提供する優位性と保証を備えるまでには、まだ道のりは長いということも認識するべき点です。

外国判決の承認も二者の相違をあげるいい例として挙げられます。香港では、裁判所は外国判決に影響されうるのに対し、ベリーズ信託は他国の債権者申し立てや破産、離婚等を理由とした外国裁判所からの命令によって、外国判決へ影響を及ぼしえません。その他、相続権に関連してもベリーズ信託法の特徴と言える点があります。ベリーズでは、相続権を剥奪された相続人は、資産や財産の相続に対して信託が関与するという前提に基づき、信託に対し意義を唱えることができません。一方香港では、もしも相続にかかる国内法の下、遺留分というべき強制相続の形体が存在したならば、裁判所は当該財産の分割に関して相互の執行判決を調整し、その管轄法に準拠した命令を下しうるのです。

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アジアのプライベート・バンク

香港及びシンガポールは既にプライベート・ウェルスセンター、そしてセーフハーバ(安全港規定)としての地位を確立しています。これは、増加するアジアの富裕層に対応するのみでなく、欧米の富裕層がこれまでウェルス・センターとしてきたリヒテンシュタイン、スイス、キプロスといったウェルス・センターとして歴史ある地域が法的取締りを受けたことにより、これに変わる代替地域としても選ばれているのです。

ボストン・コンサルティング・グループによると、2010年の香港、シンガポールのプライベート・バンクに預けられた総資産は7,000億USDを超過すると報告されています。この多くはスイスのプライベート・バンクに米国税務当局の調査が入ったことにより、当該銀行から移行された預金です。スイスではメガバンクから中小銀行に及ぶまでがアジアでの公算を高め、アジア子会社の確実な、そして高い成長率を報告しています。

ここで注意したいのは、香港とシンガポールを租税回避やマネーロンダリング等の違法活動の隠れ家と捉えてはいけないという点です。両者とも確立された課税制度を持ち、有効なマネーロンダリング規制が整備されています。これらのアジア都市がこれほど注目を浴びるのは、そのシンプルな低税制と銀行の情報管理能力にあるのです。香港の銀行における情報管理が普通法に根付いているのに対し、シンガポールはスイスの銀行に習った情報管理システムを採用し、共に金融機関秘密保持インデックスのトップ6にランキングされています。

順位  司法管轄   FSI値      秘密保持評価値 世界基準比

 

1 Switzerland 1879.2 78 0.061

スイス

2 Cayman Islands 1646.7 77 0.046

ケイマン

3 Luxembourg 1621.2 68 0.131

ルクセンブルグ

4 Hong Kong 1370.7 73 0.042

香港

5 USA 1160.1 58 0.208

アメリカ

6 Singapore 1118.0 71 0.031

シンガポール

7 Jersey 750.1 78 0.004

ジャージー島(イギリス王室属領)

8 Japan 693.6 64 0.018

日本

9 Germany 669.8 57 0.046

ドイツ

10 Bahrain 660.3 78 0.003

バーレーン王国

提供:Financial Secrecy Index

そのほかの要因としては、ヨーロッパの経済不安、財政及び経済不安をあげることができます。金融危機や経済の低迷により、多くの国は引当金の急増や公的融資の投入にあたり、財政赤字に苦しんでいる現状です。最も新しい銀行救済例はキプロスのユーロ諸国による救済が挙げられるでしょう。

この一方で、香港とシンガポールは黒字財政を発表し、当該地域の居住者や企業に対して減税や払い戻しといった利益分配を行っています。

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