資産管理及び保護

ゼットランドは独立した受託会社として個人信託(プライベートトラスト)を提供しており、どの銀行や組織にも属さず特定の金融商品に規定されるものでもありません。弊社の受託者サービスは社内の弁護士や会計士などの専門家より良質且つ的確なアドバイスとともに提供しております。

資産管理及び保護

信託の本質は委託者から受託者への資産の所有権移譲にあります。委託者はどのようにすれば資産を正しく保護し、希望通りの運用を実現することが可能となるのでしょうか。

委託者(Settlor):所有資産を預託(信託に移譲)することによって信託を設定する者。信託に自身の名前を付けることもできます。

委託者自身が信託の委託者として名前を残す必要はなく、資産の所有権を信託に移譲するためだけのSPC(特別目的法人)を設立し、法人を委託者にすることも可能です。

受託者(Trustee):受託者の選択は、経験豊富で専門知識を有する信託会社を指定することをお勧めします。受託者は信託証書(Trust Deed)に従い受益者の利益のために活動を行う受託義務を負います。信託は長年にわたるものですので、継続して良いサービスを提供してくれる受託者選びがポイントとなります。

多くのメガバンクは子会社として信託会社を持っていますが、委託者の多くは小規模の信託会社を受託者として選びブティック・サービスを好む傾向にあります。受託者の指定は取り消し可能で、受託者のパフォーマンスに満足いかなければ変更が可能です。

信託書類:信託証書(Trust Deed)作成は重要な作業となり、この証書(Deed)により委託者は受託者に信託資産をどのように管理・コントロールさせるかを定め、信託期間にわたってどのように信託資産を配分・処分していくかについての詳細を定めます。信託資産の典型的な構成は現金、不動産、または会社の株券などですが、動産・不動産の所有権や知的財産権が含まれる場合もあります。信託会社の多くは信託証書のひな形を持ち、お客様の要望に合わせてその詳細をカスタマイズすることになります。

オフショア信託の設定地域は、お客様(委託者)の顧問弁護士または顧問税理士の専門外の司法管轄であることも多いため、セーフガードとして設定現地の弁護士からも信託の有効性に関するアドバイスを受けることが望ましいかと思われます。任意信託(Discretionary Trust)においては遺言状(Letter of Wishes)の準備も合わせて必要になります。

保護者の指名:保護者(protector)は委託者の知人や側近の個人(顧問弁護士など)が通常選ばれます。保護者は受託者、委託者、受益者を見守る役目を持ちます。保護者は通常、受託者の行為に対して拒否権を持ち、受託者を辞めさせることや指名する権利を無制限に有します。保護者によって不正に信託に手をつけられないように、保護者の権限設定には注意が必要です。保護者が死亡したり、役割を遂行する能力や意欲を失った際は、その後継者を指名することができます。

信託国籍の選択:たいていのオフショア地域はタックス・プランニング上有効ですが、一方で資産保護機能が際立って優れている地域もあります。オフショア信託の国籍の選択は最終的なものではなく、たいていの信託証書には「避難条項」と呼ばれる条項が盛り込まれており、これによって当初の所在地において社会騒動などが発生した場合には、信託の国籍変更を認めることができます。より良い法的環境を求めて国籍変更を行なう例もあります。

オフショア会社の利用:オフショア信託が同じあるいは別のオフショア地域に会社を信託資産として保有することはよくあります。委託者の観点からみれば、それは信託下においた会社に対する経営権限を持つ手段であったり当該会社から利益を得る手段としての信託の利用法になります。受託者には信託下にある会社の経営責任はまずありませんが、最近の英国法の判例では、受託者にも信託下にある会社経営に介入したりする義務があると示唆しています。BVI(イギリス領バージン諸島)では、特別条約(VISTA信託)を設け、取締役のみに信託下にある会社の経営責任を負わせる条約を施行しました。その他の国もこれに続くような傾向が予測されます。

ゼットランドは香港本社を拠点に、多くのオフショア地域にて会社を設立・管理をしておりますため、個別にご相談ください。

専属信託会社(PTC):委託者が信託会社を自ら設立して信託管理を行なうケースもあり、そのような専属信託会社をPTC(Private Trust Company)と呼びます。手配には別途コストがかかり、また専属受託者とその持ち株会社のスキームの組み方にも考慮が必要になってきます。信託会社に対する当局の規制は年々厳しくなってきており(最低資本金が必要、等)このような選択は限られた地域でのみ可能となっています。

リヒテンシュタイン財団法人(Liechtenstein Foundation):信託ではありませんが、リヒテンシュタインにて設立できる財団法人(Private Foundation)は信託と法人の二つの機能を持ち合わせた機能を有しています。リヒテンシュタインは守秘性と法的環境の安全性においても世界で優れた地域とされています。リヒテンシュタインはオーストリアとスイスの間に位置する政治的にも経済的にも安定した独立公国です。財団法人は、自ら資産への権限を有し、更に死亡時や決定能力を喪失した際にはその資産相続がスムーズに行えることを望む資産家にとっての有効ツールとして利用されてきました。リヒテンシュタイン財団法人の設立及び維持管理費はカリブ海などで設定できるオフショア信託の設定よりコストがかかります。逆に、カリブ海で設立可能な財団法人の設立・維持はこれに比べると比較的安価で、弊社ではいづれの財団法人設立も行っております。

全ての法的手段から資産を完璧に守る方法はありません。特に信託においては、いくら委託者が受託者に資産を預けたと言っても、実際に資産をコントロールしているのは委託者である、という主張観点から(受託者は委託者の指示に従っているだけ、という主張)、信託の有効性が攻撃されることがあります。しかし、信託が無効であることを証明することは極めて困難であり、うまく信託設定をすることにより信託を保護することが可能です。

ただし信託は有効とされても、信託下に置かれた資産は訴訟対象となりえます。多くの司法管轄において、離婚や相続争いの際に家庭裁判所が信託証書を変更する権限が増してきています。(信託は信託が属する司法管轄における裁判所の影響も受けます)

信託下に置かれる資産は「資源」として捕らえられ、裁判で所有権の争いとなった場合は争点となる資産が属する司法管轄にある裁判所の判決により、その資産の所有権が信託設定とは異なる相手(例、裁判をおこしている親族など)へ失われる可能性もあります。

イギリスでは「Charman夫妻事件(2007年の離婚訴訟)」という事件がありました。この争いの結果、ジャージー信託下に置かれた資産1.2億ポンドの内の37%がその所有権を失い、妻の所有となった例が有名です。

オフショア司法管轄の選択も重要になってきます。どのオフショア司法管轄も同じようにみえますが、本来それぞれに法律上の差異があります。たとえば、いくつかの司法管轄では、政府保管の登録簿への信託登録を義務付けているところもあります。

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