ニュースレター April 2019
Dear Friends of Zetland (当ニュースレターはご購読手続きをいただいた方や過去に名刺を交換させていただいた方へ配信しております。配信停止をご希望の際にはお手数ですが、本ページ一番下の「Unsubscribe」(配信停止)をクリック願います。) 弊社では数か月毎にニュースレターを英文で発行しており、遅れて日本語翻訳版を発行しております。 今回の日本語翻訳版は昨年の3月から今年4月号までの英文記事からピックアップしたトピックになります。 過去1年でこの業界では更なる大きな変化がありました。香港やシンガポールを『ミッドショア』とし、カリブ海などを『オフショア』とあえて分けて呼ばせていただけば、ミッドショアとオフショアの両方にて大きな変化がありましたが、ミッドショアよりオフショアでの規制が更に厳しくなった一年となりました。 この変化は以前にもご紹介したOECD主導のCRS(自動交換条約)の絡み、そしてOECDとEUの両方が要求する「透明性」に協力しない国々をリストする「非協力国ブラックリスト」に載るのを避けようとするオフショア国々の新たな対策によるものです。 オフショアではBVI(イギリス領バージン諸島)、バミューダ、ケイマン島において特定の事業を行う法人への実態が求められるようになりました。BVIにおいては持ち株会社も含みます。ペーパー会社として使われることの多いオフショア法人に実態が必要になるとはどういうことか、これは次回の臨時号(今月発行予定)にて詳しくお話させていただきます。 また同じオフショアで、弊社でも支店のあるベリーズでも持ち株会社以外は法人実態として現地にてオフィスを構えるよう義務付けられるようになります。こちらに関してはまだ現地当局からの詳しい指示待ちですが、ベリーズ法人をお持ちのお客様には大きな変化へのご対応となりますため、追ってニュースレターや個別の案内にて連絡をさせていただきます。 香港ではオフショアに比べる大きな変化ではありませんが、前回のニュースレターでも述べた通り弊社のような信託受託業及びコーポレートサービスを提供する業者の免許制(Trust or Company Service Provider Licence)がスタートして一年が経過しました。また、弊社は香港やベリーズ信託の受託者としてCRS(自動交換)への対応も行っております。 よって、今回のニュースレター内容もこのような規制や変化を報告させていただく内容になっております。 また、その一方で日本では相続案件をよく扱われている士業の先生方の間や、世界各地に資産のある富裕層のお客様などの間にて海外信託利用が注目を集めています。アジアに移住された日本人の方からの資産保全相談や、日本居住者の方からの新たな海外投資ビークルとしての海外信託のご相談もよく受けます。 よって今回の記事には遺言についても載せております。結論を先に言えば、遺言は各国、資産のある国ごとに作るのが得策です。または信託財産にし一括管理を行うのも手でしょう。いづれにしても今の【グローバル活動+大相続時代】、海外信託の利用は日本人の間で今後も大きな注目を浴びることと思われます。 過去にそんな海外信託についての記事をいくつか書いております。 バックナンバーはウェブサイトにてお読みいただけます。 https://zetland.jp/category/private-trust/ 弊社の9割のお客様は日本人以外の世界各地のお客様です。日本語記事は日本のお客様にご関心を持っていただける内容をピックアップしてお届けしておりますが、英文では2か月に一度配信しております。英文でのニュースレター購読をご希望の方はこちらのページよりご購読いただけます。 https://zetland.biz/newsletter/ 今後共、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。 石垣
香港税務:AEOI図解(金融口座情報の自動交換)
(*以下は2018年3月に発行された英語原文記事の日本語訳になります。最新情報は弊社までお問い合わせください) 香港税務当局では2017年にAEOI(非居住者に関わる金融口座情報の自動交換)がすでに施行し、2081年末に第一弾の報告が行われました。以下に簡潔に3つのパターン、1)活動的非金融機関事業体(Active NFE)、2)受動的非金融機関事業体(Passive NEF)、3)信託(Passive NFE Trust)に分けてどのパターンが自動交換の報告対象になるのかを分かりやすく図解説明いたします。 説明:- 受動的非金融機関事業自体(Passive NFE)は活動的非金融機関事業体(Active NFE)に当てはまらない法人を指します。(*日本語のみの追加説明:つまり事業実態のない資産運用目的の法人はPassive NFEに当てはまり、その法人が所有銀行口座の銀行などを通じて情報交換の対象となります。)
- 活動的非金融機関事業体(Active NFE)はその収入のほとんどが受動的所得によらない法人のことで、上場企業や政府団体、国際団体、中央銀行や非営利団体の持ち株会社なども含みます。例外は、自動交換条約に加盟してない国で設立された投資目的法人でそれらは常に受動的非金融機関事業自体(Passive NFE)扱いとなります。(*日本語のみの追加説明:つまり事業実態があり貿易などを行っている法人はAvtive NFEに当てはまり、情報交換対象になりません。)
- Controlling Person(支配者)とは法人を実質的に管理している個人になります。銀行などの金融機関(Financial Institution)は口座を保有する受動的非金融機関事業自体(Passive NFE)のControlling Person(支配者)を特定し税務当局に報告する義務があります。
- Financial Account(法人口座)の情報は、Controlling Person(支配者)の氏名、住所、居住国、納税番号(日本居住者の場合はマイナンバーにあたります)を含めた個人も情報が自動交換情報の対象となります。そしてその法人口座の口座番号、残高、利子の総額、配当の総額、その他の収入利益の総額、金融資産による収益の総額などが、自動交換情報の対象となります。
(原文)Hong Kong Tax:Illustrations for Automatic Exchange of Information (“AEOI”) in Hong Kong
As the Hong Kong Inland Revenue Department has already implemented the local Common Reporting Standard (“CRS”) in 2017 with the first automatic information exchanges to be made by the end of 2018, the following illustrations provide general views on which financial account information will be exchanged among the reportable jurisdictions for different entities under the AEOI regime: Notes:- A Passive Non-Financial Entity (“NFE”) is an NFE that is not an Active NFE.
- The definition of Active NFE essentially excludes Entities that primarily receive passive income or primarily hold amounts of assets that produce passive income (such as dividends, interest, rents etc.), and includes entities that are publicly traded (or related to a publicly traded Entity), Governmental Entities, International Organizations, Central Banks, or a holding NFEs of nonfinancial groups. An exception to this is an Investment Entity that is not a Participating Jurisdiction Financial Institution, which is always treated as a Passive NFE.
- A Controlling Person is a natural person who exercises control over an Entity. Where that Entity is treated as a Passive NFE then a Financial Institution must determine whether such Controlling Persons are Reportable Persons.
- The financial account information to be exchanged includes personal data of controlling person such as name, address, jurisdiction of residence, Taxpayer Identification Number (“TIN”), and the date and place of birth while financial account data such as the account number, account balance or value (year-end), and the gross amount of interests, dividends and sale proceeds of financial assets as appropriate for the year concerned.
イギリス領土のオフショア国における法人実質所有者の一般公開登記の開始
(本稿は2018年5月に英語版で発行された記事の日本語訳です) 2018年5月1日、英国議会において反マネーロンダリング規制(資金洗浄防止規制)への修正法案が可決されました、これによってイギリス領土であるオフショア国にて設立されたオフショア法人の実質所有者の登録情報が一般公開されることになります。 修正法案では、イギリス領土のオフショア国に対して実質所有者の一般公開登記リストの作成を2020年度末までに行うよう要求するもので、該当する国は、バミューダ諸島、アンギラ、モンセラート、タークス・カイコス諸島、ジブラルタル、ケイマン諸島、BVI諸島になります。ただし、イギリス王室属領であるジャージー島、ガーンジー島、そしてマン島は対象外です。 これらの対象国ではすでに共通報告基準(CRS)や金融口座の自動交換のための新国際基準(AEOI)を取り入れ法人実質者の登記をすでに現地で始めており、情報は法執行機関にのみに開示されてきました。尚今までは自国の制度がマネロンやその他の犯罪に悪用されないよう十分阻止できているとして、今まで要求を拒んできました。 (*2019年4月現在の更新情報:英国議会では、修正法案による開示要求期限を、元々の2020年末から2023年末に延長しました。) ゼットランドではオフショア法人設立に関するサポートを行っております。今回の変更にて対策が必要な方、また詳しくは 日本語で intray@zetland.biz までお問い合わせください。(原文)UK’s overseas territories to introduce public ownership registers
On 1 of May, the Sanctions and Anti-Money Laundering Bill was passed in the UK Parliament with an amendment that would require UK Overseas Territories to introduce publicly-accessible registers of companies’ ultimate beneficial owners (UBOs). The amendment will require UK overseas territories to introduce public registers listing the beneficial owners of local companies registered in the jurisdiction by the end of 2020. This relates to all the Overseas Territories: Bermuda, Anguilla, Montserrat, Turks & Caicos, Gibraltar, and also Cayman and the BVI. The Crown Dependencies such as Jersey, Guernsey and the Isle of Man, are not covered by this Bill. The British Overseas Territories have already adopted the Common Reporting Standard/Automatic Exchange of Information regime relating to tax compliance and have developed systems to record beneficial ownership information for use by law enforcement agencies. To date, the Overseas Territories have resisted calls for public disclosure of beneficial ownership information on the basis that the existing arrangements facilitate effective exchange of tax information and contain safeguards to prevent the use of companies for money laundering and other criminal purposes. (*Additional information on April 2019: UK decided not to force the amendment until 2023 at the earliest rather than the original 2020 deadline) If you have any questions, please don’t hesitate to contact Alina Moroz at alinam@zetland.biz.中国外資独資企業(WFOE)の持ち株会社としての香港法人の設立
中国にて事業を展開される方や投資を検討されている方に、持ち株会社(香港法人)の設立をお勧めしております。香港法人を中国法人の株主とする利点は以下の通りです。- オーナー変更(株主変更)が簡単です:中国で設立された外資独資企業(WFOE)では、取締役や株主の変更は中国本土の規制が用いられるため時間もかかりなかなか容易には行きません。その点、香港法人を使えば香港でのみの簡易手続きだけで済みます。中国での事業が拡大し、投資家が増える場合には、先に中国法人(WFOE)の株主を香港法人100%に変更し、追加される投資家は香港法人の株主として追加するのが得策です。
- 法制度の違い:香港の法制度は中国本土から切り離されており、香港では英国のコモンローシステムになります。中国本土でではなく香港での契約締結、そして万が一の裁判の際には中国でではなく香港で行うことを望まれる方が多いです。
- 投資家の保護:中国法人(WFOE)の直接支配より、その持ち株会社となる香港会社を通しての支配の方が、投資家にとって責任からのより強い保護が期待できる場合もあります。
- 香港での銀行口座開設:香港の銀行システムは非常に高いテクノロジーとセキュリティーを有し、国際メガバンクの全ては香港に集まっています。また、中国では為替規制がありますが香港ではそのような規制や承認の必要はなく、あらゆる通貨の送金が簡単に行えます。
- 源泉徴収税:中国法人から香港持ち株会社への配当において、中国における源泉徴収税は5%になります。香港ではないその他の国の法人が持ち株法人の場合は10%です。香港では配当は非課税です。
- 課税協定:香港と中国間における租税条約からの税的優遇措置の享受
(原文)Benefits of using Hong Kong holding company when investing in China
- It is easy, convenient and fast to setup a Hong Kong company - takes 1-2 days.
- Flexibility in changing ownership: Once a WFOE (Wholly Foreign Owned Enterprise) is set up in China, changing directors and ownership requires compliance with Chinese regulations and it is time consuming. It is easier to change or add shareholders of your HK company than a WFOE. If your China business increases and you want to add more shareholders, they can be added to the HK holding company which owns the WFOE instead.
- Hong Kong legal system is separated from mainland China and is based on English common law. Many investors prefer their contracts and disputes to be governed by Hong Kong law and subject to the jurisdiction of the Hong Kong courts.
- Hong Kong holding company of the Chinese investment may offer foreign investors more protection from liability than a direct shareholding.
- Banking in Hong Kong has a very high standard in technology and security, and all major international banks are located in Hong Kong. In the contrary to China, there are no restrictions or approvals necessary in Hong Kong to receive or transfer funds or foreign currencies.
- Withholding tax on dividend from China to its Hong Kong holding company is only 5% rate instead of the 10% levy for distributing dividend to the holding companies setup in other countries. There is no tax on dividends in Hong Kong.
- Certain advantages may be granted by tax agreement between Hong Kong and China.
遺言は何通残すべきか?
以下の記事は香港の遺言専門事務所である、Professional Wills Ltdからの寄稿になります。ゼットランドは世界中の士業とネットワークを組んで協業しております。 Professional Wills Ltdでは4人の遺言の専門家がおり、香港での遺言作成から複数の国にまたがり資産を所有している場合の遺言作成のサービスを過去12年間にわたり提供してきました。本記事では簡潔になりますが、国をまたいでビジネスや資産を所有する人々が対面する資産承継における問題を見ていきます。 まず、遺言は1個人の人生の中でもっとも大切な法的書類といえるかと思います。遺言は、その人が一生をかけて蓄積した資産を扱う書類で、その資産はその数や額が多かれ少なかれ特有の資産であり、また大切な家族へ引き継がれるものです。金銭的な価値がある場合に限らず、もっとも重要なこととして金額価値のつけられない思い出などの感情的価値の高い資産も扱われます。 典型的な例は、世界中に散らばっているあらゆる資産に対して、1通の遺言しか残さないことですが、これだと各国において相続手続きに時間がかかる上にプロベート裁判の際に費用が更に割高になります。(*コモンロー制度の国では相続が発生すると必ずプロベートという相続裁判にかけられます)よって弊社では、お客様の資産がある各国にそれぞれの遺言を残すようお客様へアドバイスをしています。 複数の遺言を作成することは可能です。各遺言は特定の国や資産にのみ有効であるような書き方をすることが重要です。ある遺言がもう一つの遺言によって無効にならないような書き方にも注意が必要になります。 また、遺言は準拠法に対応した内容である必要があるため、お客様の国籍、居住国、Domicile(ドミサイル、永住国)を考慮し、各国の異なる相続法が組み込まれた内容に仕上げることが大切です。 居住国が1か所(1か国)で資産のありかも1か所(1か国)というケース、または多国籍や多国に居住を有しておりまた資産も各国にあるケースなど、弊社ではお客様の個々の異なるニーズのご相談を受けたまわっております。 資産承継は、相続税アドバイスや生命保険への加入など、その他方面のアドバイスを含む長期的な計画が必要になります。弊社では他の士業やプロフェッショナルとネットワークを組み様々なニーズにお応えすることが可能です。また、弊社の遺言作成サービスは、毎年の「リマインダー」サービスを含んでおり、各お客様には一度書かれた遺言の内容を更新する必要があるかどうかなどの連絡もさせていただいております。 詳しくは直接英語または中国語で弊社Professional Wills Ltdにご相談ください。 (電話 +852 2561 9031、メールenquiry@profwills.com) または日本語ではゼットランド社、にてサポートを行っております。日本語で intray@zetland.biz までお問い合わせください。(原文)One Will or more?
Contributor of the following article is from Professional Wills Ltd in Hong Kong. Zetland works closely with the network of professional firms around the world. Professional Wills Ltd and their team of 4 qualified Will writers specialize in multi-jurisdictional Wills and have been writing Wills in Hong Kong and around the region for the last 12 years. This introductory article provides an insight into some of the many issues encountered with Wills and estate planning for international workers. A Will is one of the most important legal documents which an individual can execute. Often, it embraces assets, which may have taken a lifetime of effort to amass. These assets may be small or large but either way they are yours to hand down to those that you love. It may also deal with properties that are not only of monetary value, but also (and perhaps more importantly) incalculable sentimental or emotional attachment for both the testator and beneficiaries. Common practice is to have a single Will drawn up to cover someone’s worldwide assets. In practice this results in delays and additional expense during the probate process. The industry standard recommendation is to have a separate country specific Will written to cover each jurisdiction where assets are located. It is perfectly possible to have more than one Will. Each Will must be restricted to the country and type of property it is intended to cover and the drafting of such Wills needs to be done very carefully. It is important that one Will must not accidentally revoke another. It is essential that this work is done properly and in consideration of the applicable laws. The understanding of ones’ nationality, residency, domicile and different succession laws are all important when writing Wills. So, if you are a resident of one country with assets only there or if you are of different nationalities and with assets spread in 2-3-4 or more countries around the world, the team at Professional Wills is skilled at tackling your needs. Longer term considerations often then include tax advice with regard to inheritance and estate taxes which might apply on death as well as business succession planning and ensuring life insurances and pension benefits are correctly structured. Professional Wills work with other industry professionals who can assist in more specific advice in these areas. Their storage service and annual reminders help to encourage clients that once Wills have been written that they are maintained and kept current. For more information contact any of the 4 Will writers at Professional Wills Ltd in Hong Kong on + 852 2561 9031 or email enquiry@profwills.com香港信託(トラスト)を利用した資産承継、エステートプランニングについて
ファミリービジネスの世代継承にまつわるケースで、プランニングが貧弱であったがために世間に一族の恥をさらす結果になってしまい更に事業や資産に支障が起きたという話をよく聞きます。 相続時期にきているビジネスオーナー達は、成功例または失敗例から学べることが多いにあるかと思われます。資産承継をご相談される際には以下の3点をキーポイントとしてご考慮いただければと思います。- オーナーシップの構造
- ファミリーガバナンス
- 企業ガバナンス
- 委託者の資産支配管理権:香港で信託を設定することにより委託者は信託財産を自分の資産として投資・管理することができます。これによりビジネス・オーナーとして設定された信託下に置かれた会社への支配件が広がり、自分の意思で管理できる幅が増えることになります。
- 恒久な信託期間設定:信託法の改定により、信託の期間設定を無限にすることができるようになりました。これにより、複数の世代に渡る遺産継承プランニングが可能となりました。コモンロー(イギリスの法律)を採用している他の国々において同じ無期限設定を信託に採用しているところは少ないです。
- 遺留分(Forced Heirship)からの保護:香港にて設立された信託は海外の遺留分制度から切り離され影響されません。これの意味するところは委託者(や受益者)の居住国に関わらず委託者の意図する受益者へ信託利益の受け渡しが他の誰に邪魔されることなく可能となります。
- 香港の「ゼロ課税」制度:香港では香港以外の源泉所得に対する課税はありません。これはそのまま信託にも当てはまり、香港外にある信託財産によって得た利益に対する課税は発生しません。この点において香港は他の「ゼロ課税」制度を採用している国との違いはありません。
- 香港で設定された信託へ海外から資産を移す場合、及び海外に所有する資産から得た利益を香港の信託へ移す際の課税はなし。
- ゼロ源泉徴収税。受益者の居住国に関わらず、香港で設定された信託利益の受け取りの際にその信託資産の場所が香港及び海外であっても課税なし。
- 香港では贈与税はなし。
- 香港ではキャピタルゲインに対する課税はなし。(これは信託にも当てはまります)
- シンプルな一統治行政内における管理:信託、受託者、銀行と投資、法律・会計サービスを香港という一つの行政区内で管理していくことが可能です。
(原文)Hong Kong Trusts for Estate and Succession Planning
When there is a generation change in family businesses and transition of leadership of the family business, poor estate planning can lead to public embarrassment and threaten the entire family business and assets. Business patriarchs preparing for the transition to the next generation should take the following three aspects in consideration and speak to a Zetland Trust advisor:- Ownership structure
- Family governance
- Corporate governance
- Reserved Powers to the Settlor: Settlors of a Hong Kong trust are able to reserve the power of investment and management of the trust assets to themselves. This allows the business owner to retain greater control over the company and trust assets and manage them in the manner that they deem fit.
- Perpetuity Period of Trust: With the new amendments a Hong Kong trust can last indefinitely. This is particularly useful when planning for multiple generations ahead. The establishment of perpetual trusts is not possible in most major common law jurisdictions.
- Forced Heirship Protection: The forced heirship rules of a foreign jurisdiction will not affect the validity of any settlements of any movable assets into a Hong Kong trust made by settlors during their lifetime. This means that settlors from jurisdictions that prescribe forced heirship rules can now have peace of mind that the trust will benefit their chosen beneficiaries and will disregard any person who would otherwise benefit from their estate under domestic forced heirship rules of their jurisdiction of residence or citizenship. This provision benefits mostly settlers from civil law jurisdictions and asserts that assets in the trust cannot be clawed back by their heirs against their wishes.
- Hong Kong’s unique tax regime: Under Hong Kong’s territorial tax system, income derived by the trust from assets outside Hong Kong will not be taxable to the trustee, the trust entity or the beneficiaries. Hong Kong is in this regard not different from other zero tax jurisdictions:
- Hong Kong’s tax system allows a resident Hong Kong trust which owns assets outside of Hong Kong to remit income and profits from those assets to the trust in Hong Kong without such income being taxable in Hong Kong
- No withholding tax. Distributions to beneficiaries from a Hong Kong trust out of income earned either in Hong Kong or outside Hong Kong are not taxable in Hong Kong in the hands of the beneficiaries whether the beneficiaries are in Hong Kong or overseas.
- There is no gift duty in Hong Kong. Gifts of property in Hong Kong or the forgiveness of a debt attract no gift duty.
- Hong Kong has no capital gains taxes and any goods and services or value added taxes. A Hong Kong trust selling property or other assets at a substantial profit is not subject to tax in Hong Kong.
- Single jurisdiction governance and administration. It is a great advantage to have the trust, trustee, banking and investment, legal and accounting services all based in the same jurisdiction and subject to the same law.
【香港法人設立 VS シンガポール法人設立】の比較
弊社にてよく受けるご相談の中で、「香港とシンガポール、どちらに法人を設立するのがふさわしいでしょうか?」という質問があります。では、香港とシンガポールの違いは何なんでしょうか? 香港もシンガポールも類似している部分が沢山あります。両方ともビジネス環境にも税環境も整い優遇されています。また、アジアの中心に位置するためロケーション的にも最適でインフラが整っており、英国コモンローからきている法制度が使われ、英語が公用語の一つであり、国民の教育レベルは高く非常に優れた雇用者を期待できます。 シンガポールも香港もビジネスを始めるのに世界でもっとも簡潔に行える場所として有名です。また、通貨が安定しており為替規制もありません。 このように類似している二つの国ですが、違いもあります。 香港とシンガポールにおける法人設立において主な違いは以下になります;- 取締役条件の違い:香港法人において取締役は最低一人の自然人が求められます、国籍は関係なく香港居住者である必要はありません。それに対してシンガポールでは必ず最低一人のシンガポール居住者が求められます。
- 設立及び維持コスト:シンガポール法人は居住者の取締役が最低1名必要求なため、居住者ノミニー取締役提供サービスを利用しなければならない場合はその分コスト高になります。(*弊社ではノミニーサービスを提供しています) また、香港の法人税は16.5%で(最初のHK$2ミリオンの所得に関しては8.25%)シンガポールは17%です。ただしシンガポールはありとあらゆる控除や優遇処置がありお得です。また、香港は完全な源泉地主義が取られており、香港源泉の所得のみが課税対象になります。(*シンガポールもほぼ同じような源泉主義を取っていますが、課税対象となる海外源泉取得利益や配当もあるためご注意ください。)
- 税制:香港では配当や利息収入は非課税です。シンガポールは海外から受ける配当に対し、課税対象となる場合もあります。両国において、キャピタルゲイン課税はありません。
- 消費税:香港では付加価値税(VAT)及び消費税(GST)はありません、に対しシンガポールでは消費税は7%になります
- 会計基準:全ての香港法人において毎年の財務諸表及び会計記録の作成そして監査が義務となります。それに対しシンガポールでは休眠会社や私的免除会社または小企業に対して会計が免除されます。
- 地理的条件の違い:最後に、香港とシンガポールの地理的または文化的条件の違いがあげられます。香港は中国市場との密な関係にあり、「中国本土・香港経済連携緊密化取り決め(CEPA)」の導入によって税制的にも中国参入へもっとも適した場所といえるでしょう。それに対してシンガポールは地理的にも文化的にも類似点が多いマレーシア、インドネシア、インドなどの東南アジアへの入り口として適した場所と言えるでしょう。
(原文)Hong Kong vs Singapore for company incorporation
One of the popular questions from our clients is where is a better place to set up a company in Hong Kong or Singapore? What is the difference between these two jurisdictions? Both are similar in many ways. Both jurisdictions have remained highly attractive for businesses due to business-friendly and tax favorable environments, strategic location and world-class infrastructure, strong English law system and highly educated skilled workforce. Singapore and Hong Kong are reputed to be among the easiest locations in the world in setting up and doing business. In addition, their currencies are stable with no foreign exchange controls. The major differences in terms of establishing the business in these jurisdictions are as follows:- A Director of a Hong Kong company can be a person (at least one individual director required) and a company, and they can be any nationality and not required to be Hong Kong resident however a Singapore company requires at least one resident director.
- Since the Law in Singapore requires a resident director, the costs of maintenance of Singapore company is higher than Hong Kong company if nominee director service is required. In Hong Kong, the basic corporate tax rate is 16.5 % (the first HKD2 million of profits of enterprises is lowered to 8.25%). In Singapore, the corporate tax rate is 17 %. However a Singapore company is able to enjoy various tax incentives, rebates and tax exemption schemes introduced by the government. Hong Kong maintains a territorial system and does not tax profits arising outside of Hong Kong.
- Hong Kong does not impose a tax on dividend or interest income. Singapore levies tax on foreign dividends if received or deemed received in Singapore. Both places have no capital gains taxes.
- There is no value added tax (VAT) or goods and services tax (GST) in Hong Kong, whereas Singapore imposes a 7% GST.
- Every Hong Kong company must get its financial statements and accounting records audited by a local auditor on an annual basis. However Singapore has exemptions that are applicable to certain companies such as small companies, exempt private companies, dormant companies, etc.
- Hong Kong provides an ideal gateway to the Chinese market due to its close geographical proximity and its familiarity with the business culture in China. Also, with the China-Hong Kong Closer Economic Partnership Agreement (“CEPA”), it’s a good jurisdiction if your business is with China. Whereas Singapore is a gateway to South East Asia, especially Malaysia, Indonesia and India due to its close geographical proximity and familiarity with the cultures and languages.
香港税務、研究開発(R&D)活動を対象とした優遇税制
2018年10月24日、香港税務改正法案(第三号)が施行され、香港において研究開発活動(R&D)を優遇税制によってい支援する第一歩の試みが始まりました。この新しい優遇税制ではR&D支出を2つのタイプ(タイプAとタイプB)に区分しています;- タイプAは基本的にタイプB以外の全ての経費が当てはまり、支出額の100%が損金算入の対象になります。
- タイプBは拡大された二段階の損金算入の対象になり、200万香港ドルまでの支出額は300%、それを上回る支出額の200%を損金算入することができます。 香港税務当局では更なるガイダンスを発行し、この優遇税制の応用について詳しい説明を発表する予定です。
(原文)Enhanced tax deduction for R&D activities in Hong Kong
On 24 October 2018, the Inland Revenue (“IRD”) (Amendment) (No. 3) Bill 2018 (“Bill”) was passed by the Legislative Council. The introduction of this bill is a first step to encourage more the research and development (“R&D”) activities in Hong Kong through the use of tax incentives. Under this new R&D tax deduction regime, the tax deductions available for two types of qualifying R&D expenditure, Type A and Type B are as below:- Type A expenditure (R&D expenditure other than Type B expenditure ) – a 100% normal deduction
- Type B expenditure (R&D expenditure on in-house qualifying R&D activities) – a 300% deduction for the first HK$2 million and a 200% deduction for the remaining amount without any limit