アジアのプライベート・バンク
香港及びシンガポールは既にプライベート・ウェルスセンター、そしてセーフハーバ(安全港規定)としての地位を確立しています。これは、増加するアジアの富裕層に対応するのみでなく、欧米の富裕層がこれまでウェルス・センターとしてきたリヒテンシュタイン、スイス、キプロスといったウェルス・センターとして歴史ある地域が法的取締りを受けたことにより、これに変わる代替地域としても選ばれているのです。 ボストン・コンサルティング・グループによると、2010年の香港、シンガポールのプライベート・バンクに預けられた総資産は7,000億USDを超過すると報告されています。この多くはスイスのプライベート・バンクに米国税務当局の調査が入ったことにより、当該銀行から移行された預金です。スイスではメガバンクから中小銀行に及ぶまでがアジアでの公算を高め、アジア子会社の確実な、そして高い成長率を報告しています。 ここで注意したいのは、香港とシンガポールを租税回避やマネーロンダリング等の違法活動の隠れ家と捉えてはいけないという点です。両者とも確立された課税制度を持ち、有効なマネーロンダリング規制が整備されています。これらのアジア都市がこれほど注目を浴びるのは、そのシンプルな低税制と銀行の情報管理能力にあるのです。香港の銀行における情報管理が普通法に根付いているのに対し、シンガポールはスイスの銀行に習った情報管理システムを採用し、共に金融機関秘密保持インデックスのトップ6にランキングされています。 順位 司法管轄 FSI値 秘密保持評価値 世界基準比 1 Switzerland 1879.2 78 0.061 スイス 2 Cayman Islands 1646.7 77 0.046 ケイマン 3 Luxembourg 1621.2 68 0.131 ルクセンブルグ 4 Hong Kong 1370.7 73 0.042 香港 5 USA 1160.1 58 0.208 アメリカ 6 Singapore 1118.0 71 0.031 シンガポール 7 Jersey 750.1 78 0.004 ジャージー島(イギリス王室属領) 8 Japan 693.6 64 0.018 日本 9 Germany 669.8 57 0.046 ドイツ 10 Bahrain 660.3 78 0.003 バーレーン王国 提供:Financial Secrecy Index そのほかの要因としては、ヨーロッパの経済不安、財政及び経済不安をあげることができます。金融危機や経済の低迷により、多くの国は引当金の急増や公的融資の投入にあたり、財政赤字に苦しんでいる現状です。最も新しい銀行救済例はキプロスのユーロ諸国による救済が挙げられるでしょう。 この一方で、香港とシンガポールは黒字財政を発表し、当該地域の居住者や企業に対して減税や払い戻しといった利益分配を行っています。 ゼットランドは、アジアにて25年以上にわたる豊富な経験を有し、資産保全、相続対策等お客様に合わせたサービスをご提供いたしております。詳しくは、intray@zetland.bizまでお問い合わせください。