英国の不動産を所有するオフショア法人の登記について
(2022年10月版)
What you need to know - Registration of Overseas Entities in the U.K.
経済犯罪に対応する新しい法案が英国議会にて2022年3月に制定されました。英国外にて設立された外国法人(非英国法人/オフショア法人)が英国で不動産や土地を所有している場合、英国にて会社登記を行うことが義務化されます。これにより、英国における法人を使った不動産所有において英国法人と非英国法人の差をなくす計らいです。また、不動産所有者を透明化するにあたり、不動産を使ったマネーロンダリングを防止する狙いです。
登記が必要な法人:
登記が必要になるのは全ての外国法人(非英国法人)において、英国に土地や不動産をその法人名義で所有している場合になります。法人受益者(Beneficial Owners)や役員(Managing Officers)の情報を開示することになります。該当する外国法人(非英国法人)は今後、英国における会社登記所(Company House)への登記なしには英国の土地や不動産の売買やリース、及び英国の土地や不動産を担保にローンを組むことができなくなります。
1. 外国法人(非英国法人)とは:英国外にて設立された法人、または法人に近い体型の実体(Entity)。
2. 法人受益者(Beneficiary Owners)とは:法人に対して重要な支配権限を有する自然人(例:25%以上の株や投票権を有するもの)。
登記の詳細:
当該外国法人(非英国法人)は、法人受益者を確定し、英国会社登記所(Company House)に法人受益者を登録します。その際に求められる必要な情報や書類の提出が必要です。
申請を受けた登記所は、当該外国法人を外国法人登記(Register of Overseas Entities)に掲載します。掲載される際に、固有のID番号が付与されます。当該外国法人は毎年、外国法人登記(Register of Overseas Entities)の更新(Update)が義務付けられます。
期限:
当該外国法人は2023年の1月31日までに、外国法人登記(Register of Overseas Entities)を完了する必要があります。
期限までに登記を終わらせない当該外国法人にはペナルティーが課され、法人役員に対し毎日500ポンドの罰金及び5年以下の刑罰に処される可能性があります。また、間違った情報や誤解を与える情報を申請すた場合にもペナルティーが課されますためご注意ください。
期限までに登記を完了しない法人においては、英国における土地や不動産の売買に支障をきたすことになりますためご留意ください。
ゼットランドでは香港を本拠地に、英国はロンドンでも顧客サービスを提供しています。今回の新法律に該当されるお客様は是非、弊社まで(intray@zetland.biz) 日本語にてお問い合わせください。